▮44年ぶりの異常事態
いつもお世話になっております。株式会社住設です。
大変申し訳ございません、水道凍結のお電話が受けきれない状況です。
テレビでも連日報道されていますが、年末から続く異常な寒さで災害級の事態です。
一般的に、水道管は気温が -4℃ を下回ると凍結の恐れがあると言われています。
ところが最近の札幌は最高気温ですら -4℃ に届かず、最低気温は -10℃ 前後の日が続いているのです。
これでは高気密の新築住宅でもない限り、どのお宅でも凍結の危険があります!
「寝て起きたら凍ってた」
「ずっと家にいたのに水が出なくなってきた」
これらは実際のご相談内容です。
もう「ストーブ焚いてるから大丈夫やろ」なんて通用しない次元です!
※もし水道が凍結したときは こちら の記事もぜひ参照してください。
当記事では、実際そうなった時に業者を呼ぶのが何となく不安(家に来て何をするのか?費用はどれくらいかかるのか?など)な方々のために、
業者が現場でおこなう解氷作業
がどういうものか、ざっくりご紹介したいと思います。
解氷方法は大きく分けて2種類あります。
▮解氷方法① 電気解氷
凍結した配管が金属管(鉄管・銅管)で、諸条件をクリアできる場合は、
電気解氷機
を用いて解氷作業をおこないます。
これは金属管に微弱な電気を流して、電気抵抗により発生した熱で管を温めるというもの。考えた人天才だな
電極間の配管全体が発熱するため解氷スピードが非常に速く、凍結箇所が大体分かっていて、これが使える場合は短時間(到着から撤収まで30分程度)で作業を完了できることが多いです!
ただし、
- 電極の間にステンレス・フレキ管がないこと(赤熱して破裂する)
- 〃 樹脂管や絶縁継手がないこと(通電しないので発熱しない)
- 凍結箇所の目星がついている
などの諸条件の他、配管の空焚きによる火災への注意など、気を付けなければいけない点もあります。
費用の目安は、配管に損傷がなければ 6000円~10000円程度(作業時間による)です。
▮解氷方法② 蒸気解氷
電気解氷機が使用できない現場では、
蒸気解氷機
を用いて解氷作業をおこなうこともあります。
いわゆるケル○ャーなどでいう「スチーマー」の解氷特化版ですね。
というかケ○ヒャーも耐熱ホース付の解氷機を出してたりします。
ほそいホースの先から高温の蒸気が出るようになっており、それを
切断した配管に直接つっこむ
という実にワイルドな解氷方式。
※配管の外側から蒸気をあてるという使い方も可能です。
そもそも通電しない樹脂管や、何らかの理由で電気解氷機が使えない現場ではこれを使用します。
使うものは蒸気(水)だけなので、ヤケドさえ気を付ければ作業的にも安全。
しかし、配管を脱着・切断する必要があったりして、電気解氷機よりは費用や時間がかかるのがネックです。
ちなみに、最近の新築住宅はほとんどが樹脂管(架橋ポリエチレン管など)による配管なので、万が一凍結させた場合はこちらを使うことになると思います。
費用の目安は…これは現場の状況により大きく変わりますが、電気解氷機の場合よりは高くなる場合が多いでしょう。
▮解氷して終わり…じゃない!
いずれかの方法で凍結が解消できたとして…実はそれで終わりではありません。
配管が破裂していないか要チェック!
水は氷になると膨張しますよね。
配管内は常に水で満たされていますので、逃げ場のない膨張分が配管を内側から押し広げます。
その力は柔らかい銅管なら容易に裂けさせますし、硬い鉄管でも継手(管のジョイント)が壊れたりスポーンと抜けたりします。
柔軟性のある樹脂管でも裂ける場合があります。
そして解氷した拍子に、事前に気付かなかった破裂箇所から一気に水が噴き出すことも…。
なので、解氷前後は必ず管の破裂・水漏れのチェックをおこないます。
凍結箇所が壁内などで目視ができない場合は、水圧試験などで漏れの確認をすることもあります。
(その前に異音や水道メーターの確認などで気づくことも多いです)
もし配管が損傷していた場合はそのリカバリーもしなければならず、更なる費用と時間が掛かってしまいます。
壁内や天井裏だと最悪当日の復旧は不可能となり、後日、大工工事をともなう大掛かりなものになる場合も。
当然、直るまで水は使えません(通水すると破裂箇所から噴き出すため)。
ちなみに給湯機(ボイラー)の内部を凍らせた場合、高確率で給湯機がオシャカになりますので、
ボイラー交換だけで数十万円の急な出費(解氷費用別途)
という地獄を見ることになります。家をあける際などは要注意!!
※ボイラーによっては凍結予防動作をしてくれるものもありますが、過信は禁物です。
▮最後に道民のみなさまへ
「水道が凍る」という現象は、寒冷地に住んでいる人間にとって未だに避けられない問題です。
昔と比べ、住宅の断熱性は上がりました。
一方で、水道のしくみ自体はそんなに進歩していないですし、世の中みんなが高断熱住宅に住んでいるわけでもありません。
解氷作業にしても上記のとおりで、わりかしシンプルで地道な方法しかありません。
昨今のコロナへの備えと似たようなものですが、みなさまへお伝えしたいこと。
自分は大丈夫と思わない!!
とにかく凍らせないことを心がける!!
真冬日が続くときは、面倒でも毎晩の水落としをお願いします。
もし「凍結が心配・過去に凍結させたことがある」という方がいらっしゃいましたら、予防のためのご相談に乗ります。
水落としのやり方が不安ならレクチャーもしますし、水落とし代行も承っております。
他人事ではありませんよ!本当に!
大きな被害が出る前に、ぜひお早めにご相談くださいね。
~ちいさな仕事もまごころで~ 株式会社住設